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「第97回国際協同組合デー」記念中央集会が開催されました(令和元年7月9日)

「国際協同組合デー」は、全世界の協同組合員が心を一つにして協同組合運動の発展を祝い、平和とより良い生活を築くために運動の前進を誓いあう日で、毎年7月第1土曜日と定められています(2019年は7月6日)。第97回となる本年の国際協同組合デーの世界共通テーマは「協同組合は働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を実現します」です。このテーマは2015年9月に国連総会で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)の目標8「包摂的かつ持続可能な経済成長およびすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい仕事(ディーセント・ワーク)を促進する」に依拠し、あわせて国際協同組合同盟(ICA)が長年にわたり連携してきた国際労働機関(ILO)が今年で設立100周年を迎えたことも踏まえています。

この国際協同組合デーを記念した中央集会が7月9日(火)、東京有楽町の朝日ホールにて、「日本協同組合連携機構(JCA)」と「国際協同組合年記念協同組合全国協議会(IYC記念全国協議会)」との共催で開催され、会員団体役職員をはじめ、全国の協同組合関係者、メディア関係者など約450名が参加しました。

集会は、中家徹JCA会長・IYC記念全国協議会代表(全国農業協同組合中央会会長)による開会挨拶に始まり、アリエル・グアルコICA会長とガイ・ライダーILO事務局長からのビデオ・メッセージが放映されました。

続いて、ILO駐日事務所の田口晶子代表が、「ディーセント・ワークと協同組合」と題した基調講演を行いました。ILOの成り立ちから、ILOが実現を目指す「ディーセント・ワーク」とは何か、またILOと世界および日本の協同組合との深い関わりなどについて説明があり、ILOと協同組合はディーセント・ワークの達成を目指すパートナーであり、両機関のさらなる連携強化が期待されると語りました。

基調講演終了後、情報・システム研究機構統計数理研究所医療健康データ科学研究センターの岡檀特任准教授が、「生き心地の良い地域づくりを考える~日本で“最も”自殺が少ない町の調査から~」と題した記念講演を行いました。全国で最も自殺率が低い徳島県旧海部町(合併して現在は海陽町)にて4年間にわたり現地調査とデータ解析を行った岡氏は、自殺予防の5つの因子として、「1.緊密過ぎない、ゆるやかな人間関係」、「2.多様性を重視する」、「3.人の評価を固定させない、多角的に長い目で」、「4.有能感(自己信頼感)を醸成」、「5.SOS発信を促す」を提言しました。そして、このような「生き心地の良い町」の特徴が、地域社会・職場・学校・SNS等の集団の在り方を考えるヒントになるのではないかと締めくくり、ディーセント・ワークの実現に向けた協同組合の今後の取り組み方を考えるきっかけとなりました。

これら二つの講演を踏まえて、次にパネルディスカッションが行われました。まず、生活協同組合コープあいち岡崎センターの福田健司副センター長は、「ディーセント・ワークは働く職員と組合員が共に地域の力を通じて作り上げるもの」として、愛知県の千万町・木下地区におけるコープあいちと地域住民(組合員)による閉校した小学校の跡地を拠点とする地域福祉活動を紹介し、この経験が地域と関わる協同組合らしい価値観を取り戻すきっかけになったと振り返りました。
 続いて、特定非営利活動法人JAあづみくらしの助け合いネットワークあんしんの池田陽子理事長が、「住み慣れたところで、住み慣れた家で、安心して生き活きと暮らし続けることのできる里づくり」を目標とし、地域住民とJA組合員が自発的に活動する自由な学習会「生き活き塾」をはじめ、自らが「生き活きと輝いていたい」という願いの実現に向けた、地域におけるさまざまな活動事例を報告しました。
 さらに、ワーカーズコープ松戸地域福祉事業所あじさいの小林文恵所長と青木信子副所長が、「協同労働」を通じて障害者・高齢者・ニートや引きこもり経験のある若者たちが分け隔てなく共に働く事業所作り・地域づくりの取り組みを紹介し、誰もがそれぞれの役割や得意分野を持ち、お互いに尊重し合いながら、自分らしく主体的に働く実践が広がっていることを報告しました。
 コーディネーターは日本協同組合学会の田中夏子会長、コメンテーターは講演いただいた田口晶子氏、岡檀氏が務め、報告された活動がそれぞれディーセント・ワークの実現を追求しており、それが地域の人々の生きがいや生き心地の良い地域づくりにつながっていること、したがって協同組合らしいディーセント・ワークの実現を通じて持続可能な社会を地域住民と共に作っていくことが重要であることが、パネルディスカッションを通じてあらためて確認されました。

その後、5月にJCAに第3号会員として新規加入した協同組合日本俳優連合の永島敏行常務理事および森崎めぐみ氏より、約2,700人の俳優(声優なども含む)が加入する事業協同組合としてJCA会員団体をはじめとする他の協同組合との連携を強化し、文化・芸術分野におけるディーセント・ワークの実現にむけて取り組んでいきたいと挨拶がありました。

集会を通じて、公正かつ持続可能で豊かな社会に不可欠なディーセント・ワークの実現に向けて、協同組合のこれまでの実績をあらためて共有し、さらに期待される役割を認識し、今後も力を結集して取り組んでいくことが参加者一同に確認され、本田英一JCA副会長・IYC記念全国協議会副代表(日本生活協同組合連合会会長)の挨拶をもって閉会しました。あわせて本田会長から、本日をもってIYC記念全国協議会は発展的改組をし、7月10日よりその活動をJCAに引き継ぐとともに、IYC記念全国協議会の活動を通じて培った幅広い協同組合の交流・意見交換の場として「協同組合フォーラム」を設置することが発表されました。


ILO駐日事務所 田口晶子代表の基調講演

情報・システム研究機構 岡檀特任准教授の記念講演

3団体からの活動報告を受けパネルディスカッション

JCAに新規加入した協同組合日本俳優連合 永島敏行常務理事の挨拶
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