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【協同組合の意義共有 政府の「改革」批判】シンポジウムが福島で開催されました。

JA福島中央会などで構成する地産地消運動促進ふくしま協同組合協議会は12月16日、絆シンポジウム2014「真の農協改革と協同組合の価値を福島から発信!」を福島市のJA福島ビルで開催しました。政府が検討する農協改革の方向について、報告者らは「地域の現状を無視している」「協同組織を尊重する世界の流れに逆行する」と批判。協同組合組織の地域社会に果たす役割や存在意義を共有しました。

シンポジウムには、JA職員や行政関係者ら約230人が参加しました。同協議会の大橋信夫会長(JA福島中央会会長)は「協同組合組織の基本原則、存在意義に介入する農協改革は容認できない。震災や原子力発電所事故から復興し、農協改革や環太平洋連携協定(TPP)参加を阻止するためにも、各団体が連携しよう」とあいさつしました。

JA全中の福園昭宏総務企画部長(IYC記念全国協議会事務局長・日本協同組合連絡協議会(JJC)事務局長)は「国際協同組合同盟(ICA)は、農協改革が協同組合だけでなく国民や国にも悪影響を及ぼすと指摘している」と報告しました。ICAをはじめ、農協改革を懸念する多くの国際機関や海外の協同組合から応援メッセージが届いていて、今後も連携を強めていきたいとしました。

福島大学の小山良太教授は「福島では震災後、民間企業がすぐに農業から撤退していった。協同組合組織がなければ、震災や原発事故からの復興は成し得なかった」と協同組合の取り組みを高く評価しました。

北海道大学の太田原髙昭名誉教授は「総合農協だからこそ、営農や生活面でも農業者を守ることができ、地域住民のライフラインになっている。農協解体を進める考えは、地域の現状を全く見ていない」と指摘しました。「国際協同組合年(IYC)で格差や貧困の解決に欠かせないとされた協同組合組織を攻撃する日本政府は異常だ」と強く批判しました。

三重大学の石田正昭教授は、JA将来像と自己改革について、そもそも既存の協同組合法が業種別分立であることを指摘し、「大きな理念のもとに協同組合法を変えていくことが大切。」と述べました。また、協同セクターを育てる具体的政策として「組合員の組織活動をJAの事業に結びつけることが大切だ」と繰り返し、タテ割り事業をJA内部のヨコの連携で繋いでいくことの重要性を強調しました。

福井県立大学の北川太一教授は、協同組合の公益性・共益性、地域社会への貢献について、「事業の根っこを支える活動の重視と『見える化』、農林業と食を育み豊かな地域社会づくりをめざす共通の理念づくり、学習活動や組合員間の交流を軸とした協同活動と提携」など具体的示唆を述べ、「協同組合は、いろいろな人たちをいろいろな方法で縦横に紡ぐ『糸』である」と協同組合間協同に対する期待を新たにしました。

JA新ふくしまの菅野孝志組合長は「今年は国際家族農業年だということを意識し、家事や子育て、介護を担う農村女性を尊重して、組織活動に生かすことが大切だ。自分のふるさとをどうしたいかという思いが欠かせない」と強調しました。

総合討論では、JA福島中央会の大橋信夫会長が「JAグループが震災復興に重要な役割を発揮できたのは、協同組合組織であったからこそと実感している。」と述べ、JAが総合事業を展開していたことにより、農家への無利子資金対応や損害賠償のスキームが確定しない初期の段階からの放射性物質対策が可能となったこと、准組合員が農業者のパートナーとして直売所利用等による地産地消復活に貢献した実例を挙げるとともに、全農の株式会社化で共販ができなくなれば、風評に苦しむ福島県産農畜産物は一層厳しい買いたたきにさらされることや、中央会の一般社団化等は組合員の望んでいることとは全く異なる非現実的なものであることなどを指摘し、規制改革会議の農協改革案を批判しました。福島県漁連の野﨑哲会長が「津波など大きな災害に直面しても、資本論理にとらわれない協同組織だからこそ絆の力で前に向かっていける。愚直に放射能検査を積み重ね、消費者に無理強いをするのではなく、理解して食べて頂きたい」、福島県森連の國井常夫会長が「米価下落は非常に深刻で、木材価格も下がる一方だ。協同組織の力で1次産業を守りたい」と話しました。また、福島県生協連の吉川毅一会長は、「震災以前から絆シンポジウムや絆塾などを通し『福島スタイル』として復興は協同組合間協同で行ってきた。今回の規制改革案は、福島で頑張ってきた我々すべての協同組合陣営に対する攻撃と受け止め、断固反対する」と話しました。

最後に「真の農協改革促進と協同組合の価値の発信に向けた共同声明」(PDF)をとりまとめシンポジウムを終了しました。

シンポジウムの後、同協議会を構成する5団体の代表が記者会見を行い、共同声明を発表しました。記者会見で協議会の大橋会長は「協同組合だからこそ復旧・復興を進められてきた。」と強調し、吉川副会長は「農協だけでなく協同組合全体に対する攻撃だ。力を合わせてはね返していきたい。」と述べました。

同協議会は、JA福島中央会、福島県漁連、福島県森連、福島県生協連、福島大学協同組合ネットワーク研究所の5団体で構成されています。

 

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